人生色々、入荷もそれなりに色々。

2017.11.14.Tue.23:00

先月後半が「おやおや、なんか呪われてるのか?」というような状態/情況で書けていなかったのですが、月があけてそれらが何となくマシになり、「(困難でもなんでも)かかってこいやーっ」(高田風)というスタンスがいつも通り意識の中央に明確にあるので、とりあえず大丈夫だろうということで書いてます。大分前の入荷分。

まあ入荷物もそうそうあげる必要はないかなとも思っているのですが(大手ネットでの販売系はすぐに売ってしまうこともあるのであげないようにしています)、まだまだ本をお譲り頂きたいというのもあるので、御参考にして頂ければという次第でございます。

以下、次回のイベントに少し持っていく予定です。
201710zen①

201710zen⑥
シモンに吉増&土方、IMA初期あたりの号

201710zen⑦
ほとんどが写真集、のかたまりなので一番上の一冊を除いてネット売分。

201710zen③
『Cy Twombly Photographs : Lyrical Variations』(クロス装の表紙に濡染み痕あり頁内に影響なし)
DIC川村記念美術館にて開催された『サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-』展の折に刊行されたもの。
この展覧会では版画や絵画の展示も少しあったようで、そちらも掲載されています。
描くことの意識ははっきりしていながらも(=観る側にも何が描かれているか描こうとしているか或いは作家の意思などがわかる)、その着地点を定めない或いはというよりもむしろ逸脱していく(ように見せている)その現前としての作品にこの作家の魅力はあるように思いますが、彼の写真表現にもまた同じようなことが言えるように思いました。
米国生まれのサイ・トゥオンブリーは「アメリカの抽象表現主義(第二世代)」の作家の文脈によく連ねられることが多いけれど、この作家は早い段階でローマに移住しているので戦後から60年代頃までの華やかなりしイタリアのグラフィックデザインとの比較も面白いかと。

201710zen④
201710zen⑤
『Pierre Joseph Redoute THE MOST BEAUTIFUL FLOWERS』(カバ裏と本体表紙にシミやや多)
バラの絵で特に有名なルドゥーテの作品集です。印刷(の色味)がやや大味な感じもしますが、頁内に(編集による)余計なキャプションがついていないのが良い!
植物画を描いておられる方や、ボタニカル・アートを見るのが好きな方にはかなりおすすめのボリューム感です。

201710zen②
『幻の探偵作家を求めて/鮎川哲也』
以前の入荷分で読み終わったので、こちらで御紹介。
パラパラとめくっていたら、最初の方で私の好きな画家である長谷川潾二郎の名があり、おや、と思って読むことに。
この画家は昔「地味井平造」という筆名で探偵小説を書いていたのですね。ただ描くことの方が忙しくなり、書くことから自然に離れたとのこと。
元々は推理小説専門誌『幻影城』の連載企画で、この書名が示すように、戦前のミステリーがまだ探偵小説と呼ばれていた時代、『新青年』『探偵趣味』『ぷろふいる』『宝石』といった雑誌に好きで探偵小説を投稿をしていたものの、プロでなかったために忘れられていった者たちを尋訪しようという内容となっています。
戦死などにより作品が出ることがなくなった人もいれば、生活の為の就職で書かなくなった人、逆に思いがけない理由で一作を書いた人など「幻」化の理由は様々。
最初は目次のキャプションが気になる作家だけ読めばいいかなと思っていたのですが、ついつい普通に読んでしまいました。
が、探偵作家事情に疎い私のような人間はむしろそのほうが正解で、というのもこの本は作家ごとに消息を探すところから始まっていて、その最中に出会う関係者やそのまた関係者が別の作家のところでも登場したりとちょっとした人物相関図が書けてしまいそうな密度があり、また大半の尋訪の同行者である『幻影城』の島崎編集長とのやり取りも回を重ねるごとに興がのってくるというような具合なので、順を追って読むと良いかもしれません。
ところで長谷川潾二郎に話を戻すと、文学好きの方は御存知のように、潾二郎の兄は小説家で牧逸馬・林不忘などの筆名を用いた海太郎・下の弟は露文学者の濬・さらにその下の『シベリヤ物語』『鶴』などを書いた四郎という有名な長谷川四兄弟ということになるのですが、この長兄の鎌倉の自宅の隣にミステリ作家のおかだ・えみこの母親が住んでいたということで、その母親岡田美都子による在りしよき日の鎌倉を描き出している文章が紹介されていて、これがもう私好みで本当に良くてねえ。正直、探偵小説とは関係ないこの部分に引きずられて、この本を読んでしまったというのはあります。

それにしてもこの「幻の作家たち」の時代の背後に常に存在する江戸川乱歩という人の存在の大きさといったら。
読書後、この本の帯のコピーにしみじみ深く頷かずにはいられない一冊でした。


新入荷。

2017.10.06.Fri.00:00

20179後

メイプルソープの花の写真集(日本語版)など入荷。
ピックアップして別撮りしようと思っていたものは、イベントの荷物の中に既におさまっている模様で…。



それでは立誠小学校でお会いいたしましょう。



安定の新入荷モノ。

2017.09.27.Wed.11:30
出戻りチャンも含めて色々、ほんの少し前の入荷分。買取の御常連様は本当にありがたい限りです。(古本屋は仕入れが命)
CDは聴いてみたいものが結構あるので今からチェックが楽しみです。


20179②


20179③
『ふしぎな角笛 ドイツのまざあぐうす/矢川澄子編訳 佐々木マキ画』
マザーグースってイギリスじゃないの?ドイツ?
と思いましたが、わらべうたと解せば「そうか」という感じですね。

20179③2
自分が気になったのはこれ。
色んな角度から解釈が可能だろうけど、ブラック・ユーモア感が出つつ格言ぽくもありつつでいいですね。

20179④
『定本ジャックス(2版)』 『定本はっぴいえんど』
少し“伝説の~”扱いがなされすぎてる気がしないでもないバンド達の、伝説扱いされている書籍達です。(ちょっと盛ってみました 盛るのも仕事)
ジャックスの方は存在だけほのかに知っていたけれど、はっぴいえんどの方も出ていたとは。
巷のアーティストブックとは一線を画す、それぞれストイックに資料性の高い内容となっています。インタビューが貴重かも。

20179⑤
森博嗣の文庫本。
自分では買ったことのない作家で、かつWeb日記をまとめたものということであったので今読んでいます。アイロンあてるの面倒くさいな~といったようなそういう隙間時間に。(つまりは持って帰っているということです)
国立大学の助教授とミステリ作家をこなしていた二足のわらじ時代のものですが、どちらに肩入れし過ぎることも無くしかしそれらをしっかりしょいつつ淡々と生活している(ように見える/見せている)のが面白い。頻繁に出てくるこの人の妻の存在はもっと面白く、かなりのスパイス感。

20179⑥
『DAVID BAILEY 写真集』
ペーパーバックタイプの写真集です。1960年代カルチャーがお好きな方に。







でも今回はこれ!!!



20179⑦
『from one charlie フロム・ワン・チャーリー/チャーリー・ワッツ』
「バード」の愛称で親しまれたサックス奏者、チャーリー・パーカーに捧げられた、ローリング・ストーンズのドラマーでありながら元々はジャズ・フリークであるチャーリー・ワッツのソロアルバム(正確にはチャーリー・ワッツ・クインテットによる)です。
「チャーリー・ワッツいい人」説は熱心なストーンズファンでないような私でもまれに目にしますが、そういうことを裏付ける?かのようなこの思慮深いタイトル…。
CD1枚・チャーリー・パーカーのピンナップ・解説冊子・詩集という内容の限定BOXセット仕様です。

20179⑧
20179⑨
で、詩集と位置づけされているけれど実際の内容はチャーリー・パーカーの人生を描いた絵本、これが良いのですよ。
こちらはグラフィックデザインの仕事をしていたこともあるワッツ自身の手によるもので、チャーリー・パーカーは愛称にちなんだ「鳥」で表現されています。文章自体はリズム感もあり、詩と呼べなくもないのですが…。
最近は公園でハトがトコトコ駆けている様子をみるだけで胸が熱くなってしまう程なので、こちらの絵本にもがっちり掴まれてしまいました…。
通常盤CDの方も廃番のようですので、宜しければチェックしてみてください。


new come on。

2017.09.12.Tue.06:03

この記事の下に、あげていなかった入荷記事を3つ程あげておきました。一部販売済です。
…で、ようやく最近も最近の入荷物なり。

20179③

青山にあった今はなき東高現代美術館にて90年代初頭に開催されたデヴィッド・リンチ絵画展作品集(デビッド・リンチ Paintings&Drawings)やフィリップ・K・ディックの文庫、Michael RotherやKlaus SchulzeのCDなど。

あとミステリや政治スパイ小説(ジャンル名を教えて頂いたけど忘れた…)系の、創元推理・創元ノベルズ・ハヤカワ・扶桑社ミステリなどなどの文庫が300冊ほど入荷予定です。置ききれないので今現在は一部のみ入荷。大体100円になるかと思うので、次回イベントに持参予定です。


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面白そうな買取のお話を同業の方より頂いた。
話によればうちが欲しそうなそれなりのものが、それなりの量…。
断りたくもないが、銭も無い…。
どうしたものか。
どうにかするか。

うーん、秋だなあ。

洋書定番系童話。

2017.09.12.Tue.06:02

mommy sendak
『mommy? /Maurice Sendak Arthur Yorinks Matthew Reinhart』
センダック作品(書き下ろし?)の仕掛け絵本。
仕掛けはマシュー・ラインハルトというポップアップ絵本の世界ではよく知られた方が担当しているようで。
素晴らしく複雑に面白く立ちあがるので、ついつい何度も開いては「うわ~」となっています。
細かなシワはあるものの仕掛け部分の状態は良好です。

20179g
グリム兄弟やアンデルセンの童話とポール・ガルドンやフェリクス・ホフマン、バージニア・リー・バートンといった人気挿絵画家の組合せによる絵本です。60年代末から70年代に出された英訳初版もしくは(独語の)Reprintばかりですが、状態はなかなか良さそう。
随分前に書いたかもしれませんが、翻訳される段階でその国の傾向にあわせて絵もトリミングされたり色出しが変えられたりということもあるようですし、ローマ字或いは他言語と日本語のフォントを載せるのとでは画面の印象がぐっと変わることもあり、洋書は洋書でお楽しみ頂ければと思います。

で、その中で気になったのが『マッチ売りの少女』。
20179②
今まで見知っているこの作品の少女の絵で、一番の惨めたらしさが表現されているような…。目の周りに影出来てるし。
ちなみに最後の最後に少女がマッチを擦って見える少女のおばあさん(の幻影)も、かなりの魔女感あり。
この挿絵は日本では絵本『バーバ・ヤガー』の挿絵でおなじみのブレア・レントによるものです。この画像だと木の表現がまさにそうですね。
絵がほとんど引きの構図で、少女の置かれている寒々しさや悲惨さといった状況を否応なく見せつける効果的な表現となっているように思います。(接近だと「この少女の心情をお察ししましょう」かと)